芥川賞小説「コンビニ人間」を読んで考えさせられた…「普通」って何なんだろう?

(芥川賞)「コンビニ人間」

コンビニ人間 (文春文庫)

コンビニ人間 (文春文庫)

オマチです。
今日、「コンビニ人間」を読みました。
その読後感などを書きます。

「コンビニ人間」とは

2016年に芥川賞を受賞した小説です。
作家は村田沙耶香さん。


作家業のかたわら、コンビニに勤務しており、その経験を生かしたコンビニを舞台にした作品なんですね!

ちなみに、現在は単行本として100万部を超えるベストセラーとなっています。

私は最近の芥川賞作品は読んでいなかったのですが、たまたま書店で目についたので読んでみることにしました。

あらすじ

主人公は古倉恵子という三十半ばの女性。

子供の頃から物の考え方が「普通」ではなく、大学時代から18年間、同じコンビニでアルバイトをしている。

考え方が普通ではないとされるエピソードとしては、

公園で小鳥が死んでいた際、他の子供たちはかわいそうだと言って泣きながらお墓を作ってあげようと言っているところを

自分の父親が焼き鳥が好きなので「家に持って帰って焼き鳥にしよう」と言って母親を驚かせたり、

小学校で男の子同士がケンカになり周りの子供たちが早く二人のケンカをやめさせて!と叫んでいるのを聞いて、ケンカをやめさせるため、スコップで片方の男の子の頭を殴ってみたり。

(具体の描写はないが、惨状という言葉があるので恐らく流血事件ではないかと思われる)

いずれも、その行為自体、一体何が悪いのか?が自分では全く理解できず、両親や妹をずっと悩ませ続けているのであるが

家族を悲しませないため「普通の人間」を演じようと心に決める。


大学時代に、たまたま応募し採用されたコンビニのアルバイトで、初めて「世界の正常な部品としての私が誕生した」という実感を得たため


その後は自分が「他人から見て普通」と思われる唯一の場所である「コンビニ」で働くことが人生のほぼ全てを占める毎日となっている。

ところが、或る日、白羽という考え方が歪んだ30代男が、同じコンビニでアルバイトをすることになったことから、恵子の人生に変化が生じることに。

白羽は異常なコンプレックスを持っている男で、自分がこの世界で受け入れられないのは、全て縄文時代から続くムラ社会的な考えのせいだとしながら

一方でコンビニのアルバイトの女性や、常連の女性客につきまとい(いわゆるストーカー)コンビニを解雇されるのであるが、

その後、恵子と白羽は再会し、お互いが一緒に住むことによってメリットが生じる(=お互いに便利である)というおかしな理由から同居を始めるのである。

そのせいで、主人公は18年間勤めたコンビニを一旦辞めることになるのだが、結局、自分の居場所は「コンビニ」しかないことを再認識し、白羽との同居を解消、「新たなコンビニ」探しを始めるところで物語は終わる。

個人的な感想と疑問

コンビニの中や店員の仕事が目に浮かぶくらい描写がスゴイ!

私はコンビニでアルバイトをしたことがないが、この小説を読むことで大体はできそうな気がするくらい。

これは作者が実際にコンビニに勤務していることによるものだと言える。

あと、主人公の常人との感性の違いに慄然とし、薄気味悪さや怖さを感じるが、実際にこういう人は世の中に存在するのかも知れないと思ってしまう。

白羽という登場人物についても、実際に同じようなコンプレックスを抱えた人間が存在するのだろう。

まさに重大事件を起こす犯罪者の心理に近いと言ってもいいかも知れないが

よくぞ、このような描写ができるものだと感心した。

と同時に「普通」って一体何なんだろう?という疑問も。

世間一般では、大学に入り、卒業したら就職し、結婚し、家庭をもって子供を育て、仕事には一生懸命取り組むのが、いわゆる「普通」と思われているものだと思うが、

本当にそれが「普通」であり、それを外れたことをすると奇異の(少し変わっているという)目で見られるというのも如何なものか。

マジョリティが正義であり、マイノリティが悪であるかのような風潮が依然としてあるわけだが、既に時代とともに様々なことが変わりつつある中で、

そういった「普通」の定義も、常識と同様、今後益々早い速度で変わっていくのだろうと、この本を読みながら思った次第。

まとめ

どうだったニャー?

一気読みできるよ!

単行本で170ページ弱、読む時間としては約2時間くらいの読みやすい小説でした。

100万部も売れているのか~という感じではありましたが、一読の価値はあるかと思います。

良かったら是非読んでみて下さい!

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